朝モヤ

いつまでも明けることのないように思える暗闇の中。
早朝。蛍光灯の青々と光るホームへと列車は滑り込む。
ここで列車の旅も休息。
バターワースの駅からのびる歩道橋は港まで続いている。
対岸のペナン島までは15分の船旅。
ありがたいことに24時間フェリーが運行している。
通勤客と思われる多くの人たちと交差し、ペナンへ向かう。

サラリーマンをして、無表情の集団と何かに書いてあったが、
本来あるべき生活から離れるほどに、人は表情を失っていくのかもしれない。
まだ暗いうちに、島から本土へと通勤する人のそれは、
どこか、満員電車の日本人のそれを連想させた。

ペナンに着いたは良いものの、ランカウイ行きのフェリーターミナルが
どこにあるのかわからない。何時にあるのかもわからない。

とりあえず人の流れのある方に歩いてみる。
流れと言っても数人しかいないところが心細い。

やがてそれらしきものが見えてきた。
チケット売り場の前に人が群がっている。
まだ発売前らしい。ようやく明るくなり始めた朝もやの中に、
さまざまな人種の人たちが、潜むように開店を待っている。

窓口で直接買うことをあきらめ、空いている旅行社でチケットを手に入れる。
どうやら朝のうちにランカウイに渡れるらしい。
こういうときは、なぜかついてる。

はじめて、FIXチケットで旅に出た。
二週間という制限によって、進まされる旅。

高速船は指定席。デッキへも出れず。寝てる間にランカウイに着いた。
とりあえず宿を探すにもアジアンリゾートランカウイ。
歩いて探せる距離にはない。
声をかけられた客引きに導かれるまま旅行社へ。
どの客引きについていくのか、どの旅行社へ連れて行かれるのか。
次の旅をそんな感じで運に任せるのも悪くはない。

Track Back

Track Back URL

このページの上部へ