2006年8月のエントリー 一覧

リスタート。

サナアの安宿。タージタルハ。
一泊15ドルと高めだが、
世界遺産でもある旧市街の中ほどにある。

縦に細長いイエメン建築で、
室内は白の漆喰と、ステンドグラスのコントラスト。
窓の木枠で縁取られた景色も美しい。

屋上のテラスよりさらに上。貯水タンクの横がお気に入りのスペース。
朝な夕なに、写真撮ったり、カート噛んだり、音楽聴いたり。
澄み渡る空。強い日差しに照らされた街。
夕方。響き渡るハザーン。夕日に紅く染められた街。
星空の下。暖かい光に包まれる街の夜景。
なかなかまったりした時間を僕に与えてくれます。

バラナシに一週間いながらも、一度も朝の沐浴を見れなかった僕だけど。
同じ宿の日本人と夜通し続いたとりとめもない話。
平和。幸福。宗教。国家。恋愛。人生。夢。
サナアの夜空に浮かんでは消えていく言葉たち。学生気分の僕たち(笑)

ということで、朝日を見ることに成功しました。

東の空が白みはじめて。
覆っていた夜の闇がいつの間にか、間の抜けた白い空。
山の上から一筋の光。
ミナレットの輪郭をくっきりと浮かびあらせる。

朝が来て、太陽が昇り。
僕たちの一日を照らし続けて。
夕刻。役割を終えて西の空に沈む。
そして夜の闇は沈黙を運ぶ。

イエメンの朝は日本の昼で。
日本の昼はアメリカの夕方で。
アメリカの夕方は、南アフリカの真夜中で。

誰が決めたかは知らないけれど。1日24時間。
どこにいようが、なにをしようが、僕たちには平等に。
一日一日が分け与えられている。

朝から始まり夜で終わる一日。

その人にとって、
いい日でもわるい日でも、夕日が沈めば、その日はおしまい。
いいこともわるいことも、夜の静けさの中で自分のなかへ受け入れる。
とっといたり忘れたり。記憶の整理を夢の中ですれば。
また朝日は新しい一日を運んできてくれる。

新しい一日。新しい自分。新たな気持ち。

誰が決めたか僕らには一日て概念があり。
昨日があったり今日があったり明日があったりする。
うまい具合に僕らが、その日その日を楽しめるように。
死ぬまで一生楽しめるように。

二人の関係。

ドバイ。ジュメイラビーチHTLのプールリゾート。ワイルドワディで。

なぜだかサナアで一緒だった大阪人、辻さんと男二人で行くことに。
こんな経験はじめてだけれど。それはそれで悪くない。
なにせ気温は41℃だ。
金持ちぼんぼん。
そしてやっぱり密着度の高いアラブ人子息たちに囲まれてのプールも悪くない。

さて時速80kmのウォータースライダー。
てウタイ文句に興味ひかれて来てみたのだが。
ぜんぜん考えてなかった。
そうか裸一貫。ただまっすぐ降りていく絶叫系なのね。

もうこれは僕の手に負えたもんじゃない。
てことでここは潔く身を引こうとこころに誓うも。
でも結局、僕もやっちゃったりするんだけれども。

なんだろう。長いスベリ台の待ち時間。眼下に広がる夜景を見ながら考えた。
てか、感づいた。てかやっとこさ理解できた。するりと自分のなかに落ち着いた。

わがまま言えること。そしてわがまま聞けること。
これが彼氏彼女の間柄かなと。
顔色伺わず、自分がしたいこと。すること。させてもらうこと。
ちょっと我慢して、相手がしたいこと。させること。させてあげること。
面倒くさくてもときどきは、どちらかがしたいこと、一緒にすること。
二人だから成される。ギブアンドテイクかなと。

そんなことを思いながら。
80kmのスピードで、僕は地上に舞い降りたのです。
てか落っこちたのです。

体調不良。

ということでシバーム行ってきた。
自由席の飛行機初めて乗った。
中古機の墓場。イエメニア航空。

そしてサナアに帰ってきた。
やっぱサナアは都会だったのね。

そして昨日の夜はハンマーム。
公衆浴場。というかサウナだな。
体はすごくぽっかぽか。

調子に乗って、一晩中。一日中。
朝な夕なに宿の屋上でハザーン(コーラン)聴いてたら、
風邪ひいた。のどが痛い。
朝な夕なにカート(噛みタバコ)噛んでたら、
口内炎ができた。右口全体。舌が痛い。頬が痛い。

早く寝なきゃ。でも今日は。待ちに待った結婚式だ。


イエメンはたぶん難易度中級のイスラム国家です。
なので、女の人はみんなチャドルを身にまとってます。
なので、街中は、ムーミン谷でいうところの、
ニョロニョロが黒くなったような人たちがたくさんです。

不思議なのは、スーパーマーケット。
子供はお菓子コーナーへ。
はてどれにしようか。
ひとつだけ買ってもらえるお菓子にどれを選ぶかで、
彼ら彼女らの経済的思考が磨かれていくわけです。

さて。どうせなら高いやつを買ってもらおうと、
ねるねるねるねのような、200円クラスのお菓子を手にした、
彼、彼女。
母の元へ戻ろうと、お肉コーナー、お魚コーナー。
必死に探すも。あれ。。おか。あ。。。さん??

どうやって探し出すのか摩訶不思議。

幸いにもここイエメンにはスーパーマーケットがないので、
僕の心配は杞憂に終わるわけですが。

授業参観や、卒業アルバムなど。
僕の心配がつきることはない摩訶不思議なイスラム国家です。

とはいえ、イスラム教は、厳しい戒律で盗みも禁止されてるわけで。
ホテルの部屋にパスポート置いて出かけようが、
カメラ入りのヒップバックを片手に夜な夜な町を歩こうが。
いまだになんの実害もない。それは平和な国なのです。

さらには、昨夜、男ばかりのカートパーティーに誘われて、
50人はいようか。彼らの熱気とタバコの煙の部屋の中。
熱いチャイと濃いカートをいただきました。

そんなこんなで、今日はサイユーンに到着です。
バスで来ようとしたけど、
部族支配が強く治安が悪いのと、
時間の関係で、飛行機に乗るものの。
定刻よりおよそ8時間遅れのイエメニア航空。
今日の夕日に間に合わなかったので、
明日あらためてシバーム観光。

砂漠の中の摩天楼。シバーム。
砂上の楼閣は、もうすぐ目の前です。

夏休み。

至極 久しぶりのりゅーすけです。
社会人2年目。今年の夏は中東が熱い。
ということでイエメンにいます。でも暑くはないです。

名古屋からドバイへ11時間。
ドバイから首都サナアまで3時間。

サナアは、それはそれは美しい町です。
どれくらい美しいかというと、
ハウルの動く城の、ハウルに翻弄される前に、
平穏な生活を送っていた町くらい美しいです。

旅先では、情報が旅を安全に進めるための重要な鍵です。
それでも情報がとれない場合には、
被害を最小限に食い止めるための努力をしなければなりません。

という当たり前のことがなぜか当たり前にできず。
なぜか僕は相場も調べず、空港で両替をしたのでした。
1ドル130リヤル。
町に出たらトラベラーズチェックすら使えないので、
喜び勇んで400ドル。52000リヤル。

してなぜか今日。思い立って計算してみたら1リヤル0.9円。
同宿の日本人に聞いてみると1リヤル0.6円。
円からドルのレートは同じくらいなので、どこで踏み外したかといえば、
そう。1ドル190リヤルが相場らしい。
ああ。あの銀行員。2万円以上儲けやがった。

しかしこんなしょうもない手にひっかかるのも、
旅が久しぶりだったからということにして。

夕暮れ。宿の屋上で一人泣き崩れていると、
日が沈んだサナアの町に鳴り響くコーラン。

この空気感。まったり感。
すてきな旅になる予感。

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