サナアの安宿。タージタルハ。
一泊15ドルと高めだが、
世界遺産でもある旧市街の中ほどにある。
縦に細長いイエメン建築で、
室内は白の漆喰と、ステンドグラスのコントラスト。
窓の木枠で縁取られた景色も美しい。
屋上のテラスよりさらに上。貯水タンクの横がお気に入りのスペース。
朝な夕なに、写真撮ったり、カート噛んだり、音楽聴いたり。
澄み渡る空。強い日差しに照らされた街。
夕方。響き渡るハザーン。夕日に紅く染められた街。
星空の下。暖かい光に包まれる街の夜景。
なかなかまったりした時間を僕に与えてくれます。
バラナシに一週間いながらも、一度も朝の沐浴を見れなかった僕だけど。
同じ宿の日本人と夜通し続いたとりとめもない話。
平和。幸福。宗教。国家。恋愛。人生。夢。
サナアの夜空に浮かんでは消えていく言葉たち。学生気分の僕たち(笑)
ということで、朝日を見ることに成功しました。
東の空が白みはじめて。
覆っていた夜の闇がいつの間にか、間の抜けた白い空。
山の上から一筋の光。
ミナレットの輪郭をくっきりと浮かびあらせる。
朝が来て、太陽が昇り。
僕たちの一日を照らし続けて。
夕刻。役割を終えて西の空に沈む。
そして夜の闇は沈黙を運ぶ。
イエメンの朝は日本の昼で。
日本の昼はアメリカの夕方で。
アメリカの夕方は、南アフリカの真夜中で。
誰が決めたかは知らないけれど。1日24時間。
どこにいようが、なにをしようが、僕たちには平等に。
一日一日が分け与えられている。
朝から始まり夜で終わる一日。
その人にとって、
いい日でもわるい日でも、夕日が沈めば、その日はおしまい。
いいこともわるいことも、夜の静けさの中で自分のなかへ受け入れる。
とっといたり忘れたり。記憶の整理を夢の中ですれば。
また朝日は新しい一日を運んできてくれる。
新しい一日。新しい自分。新たな気持ち。
誰が決めたか僕らには一日て概念があり。
昨日があったり今日があったり明日があったりする。
うまい具合に僕らが、その日その日を楽しめるように。
死ぬまで一生楽しめるように。
ドバイ。ジュメイラビーチHTLのプールリゾート。ワイルドワディで。
なぜだかサナアで一緒だった大阪人、辻さんと男二人で行くことに。
こんな経験はじめてだけれど。それはそれで悪くない。
なにせ気温は41℃だ。
金持ちぼんぼん。
そしてやっぱり密着度の高いアラブ人子息たちに囲まれてのプールも悪くない。
さて時速80kmのウォータースライダー。
てウタイ文句に興味ひかれて来てみたのだが。
ぜんぜん考えてなかった。
そうか裸一貫。ただまっすぐ降りていく絶叫系なのね。
もうこれは僕の手に負えたもんじゃない。
てことでここは潔く身を引こうとこころに誓うも。
でも結局、僕もやっちゃったりするんだけれども。
なんだろう。長いスベリ台の待ち時間。眼下に広がる夜景を見ながら考えた。
てか、感づいた。てかやっとこさ理解できた。するりと自分のなかに落ち着いた。
わがまま言えること。そしてわがまま聞けること。
これが彼氏彼女の間柄かなと。
顔色伺わず、自分がしたいこと。すること。させてもらうこと。
ちょっと我慢して、相手がしたいこと。させること。させてあげること。
面倒くさくてもときどきは、どちらかがしたいこと、一緒にすること。
二人だから成される。ギブアンドテイクかなと。
そんなことを思いながら。
80kmのスピードで、僕は地上に舞い降りたのです。
てか落っこちたのです。
ということでシバーム行ってきた。
自由席の飛行機初めて乗った。
中古機の墓場。イエメニア航空。
そしてサナアに帰ってきた。
やっぱサナアは都会だったのね。
そして昨日の夜はハンマーム。
公衆浴場。というかサウナだな。
体はすごくぽっかぽか。
調子に乗って、一晩中。一日中。
朝な夕なに宿の屋上でハザーン(コーラン)聴いてたら、
風邪ひいた。のどが痛い。
朝な夕なにカート(噛みタバコ)噛んでたら、
口内炎ができた。右口全体。舌が痛い。頬が痛い。
早く寝なきゃ。でも今日は。待ちに待った結婚式だ。
イエメンはたぶん難易度中級のイスラム国家です。
なので、女の人はみんなチャドルを身にまとってます。
なので、街中は、ムーミン谷でいうところの、
ニョロニョロが黒くなったような人たちがたくさんです。
不思議なのは、スーパーマーケット。
子供はお菓子コーナーへ。
はてどれにしようか。
ひとつだけ買ってもらえるお菓子にどれを選ぶかで、
彼ら彼女らの経済的思考が磨かれていくわけです。
さて。どうせなら高いやつを買ってもらおうと、
ねるねるねるねのような、200円クラスのお菓子を手にした、
彼、彼女。
母の元へ戻ろうと、お肉コーナー、お魚コーナー。
必死に探すも。あれ。。おか。あ。。。さん??
どうやって探し出すのか摩訶不思議。
幸いにもここイエメンにはスーパーマーケットがないので、
僕の心配は杞憂に終わるわけですが。
授業参観や、卒業アルバムなど。
僕の心配がつきることはない摩訶不思議なイスラム国家です。
とはいえ、イスラム教は、厳しい戒律で盗みも禁止されてるわけで。
ホテルの部屋にパスポート置いて出かけようが、
カメラ入りのヒップバックを片手に夜な夜な町を歩こうが。
いまだになんの実害もない。それは平和な国なのです。
さらには、昨夜、男ばかりのカートパーティーに誘われて、
50人はいようか。彼らの熱気とタバコの煙の部屋の中。
熱いチャイと濃いカートをいただきました。
そんなこんなで、今日はサイユーンに到着です。
バスで来ようとしたけど、
部族支配が強く治安が悪いのと、
時間の関係で、飛行機に乗るものの。
定刻よりおよそ8時間遅れのイエメニア航空。
今日の夕日に間に合わなかったので、
明日あらためてシバーム観光。
砂漠の中の摩天楼。シバーム。
砂上の楼閣は、もうすぐ目の前です。
至極 久しぶりのりゅーすけです。
社会人2年目。今年の夏は中東が熱い。
ということでイエメンにいます。でも暑くはないです。
名古屋からドバイへ11時間。
ドバイから首都サナアまで3時間。
サナアは、それはそれは美しい町です。
どれくらい美しいかというと、
ハウルの動く城の、ハウルに翻弄される前に、
平穏な生活を送っていた町くらい美しいです。
旅先では、情報が旅を安全に進めるための重要な鍵です。
それでも情報がとれない場合には、
被害を最小限に食い止めるための努力をしなければなりません。
という当たり前のことがなぜか当たり前にできず。
なぜか僕は相場も調べず、空港で両替をしたのでした。
1ドル130リヤル。
町に出たらトラベラーズチェックすら使えないので、
喜び勇んで400ドル。52000リヤル。
してなぜか今日。思い立って計算してみたら1リヤル0.9円。
同宿の日本人に聞いてみると1リヤル0.6円。
円からドルのレートは同じくらいなので、どこで踏み外したかといえば、
そう。1ドル190リヤルが相場らしい。
ああ。あの銀行員。2万円以上儲けやがった。
しかしこんなしょうもない手にひっかかるのも、
旅が久しぶりだったからということにして。
夕暮れ。宿の屋上で一人泣き崩れていると、
日が沈んだサナアの町に鳴り響くコーラン。
この空気感。まったり感。
すてきな旅になる予感。