人生に何を求めるかなんて人それぞれだ。
生涯をかけて、運命の、ただ一人の女の子を探しあてることを夢見ていたり。
あるいは、卒倒しそうな夜を、数多くの女の子と過ごす刹那に生きる意味を見出してみたり。
お金もある。権力だとか、物欲だとか。そういうものに一生を捧げる人だっているし、
尊敬を集めることに奔走することだってある。
はたまた、信じられる友達に最期を看取られる人生を望む人もいるだろうし。
僕はと言えば。どれだろう。
全部と言えば全部だし。違うと言えばどれも違う。
人それぞれに決めていただいて。
さて僕は何を目指そう。
ふたを開けてみるまでもなく、くだらないものでできている。
僕らはその、クダラナイモノを大切に大切にするよう教えられて生きてきた。
そして僕らは大人になって、そのクダラナイモノのメッキがはがれないように気を遣いながら。
それが自分にとってさも大事なものだと思い込み、生きている。
ごくたまに。本当に大切なナニカを探し生きている人に出会う。
けど。そういう人にとっては、このくだらないものが、そのナニカを隠し、
覆っているこの世界は生きにくくてしようがないだろう。
僕はといえば。ごくたまに。そのクダラナイモノのほころびに気がつきながらも。
そのクダラナイモノを捨てる勇気もなく。
本当に大切なナニカを信じる強さもなく。
ほころびに目をつむりながら、指をくわえて毎日を生きるだけ。